主義主張がない“悲しき雄ライオン”の絶望がこだまする(その2)

今回の連作コラムを書き始めた日は、いわゆる京アニ放火事件の3回忌にあたる日だった。放火犯が絶望感に囚われ、家族からも孤立した果ての蛮行だった。男はひとりでは生きられない。ひとりで生きているつもりでも、実は社会と家族とのつながりがなければ、や…

主義主張がない“悲しき雄ライオン”の絶望がこだまする(その1)

安倍晋三元首相が暗殺された事件について、「民主主義への冒涜」「言論の自由に対する挑戦」といった、政治や民主主義への挑戦ととらえた主張が報道されたのには辟易した。犯人が旧統一教会について語る報道がなされていたのに関わらずだ。 その昔、NHKで『…

安倍元首相。死して闇を残した男。

2022年7月7日。その男は、なぜかむくんで見えた。スーツの中の肉が水膨れしているように見えた。参議院議員選挙で公明党の応援を蹴って自民党野単独の公認で候補の応援をするために、マイクを握って話す男はあまり健康そうには見えず、映像の中で実在感をも…